2019.08.22 #6の話(2) =TAKESHI=

レコーディングも大詰めになり、いよいよメンバーへ連絡をして、それぞれのパートの録音を始めました。

まずはドラム。
#6では、ドラムはAA=ドラマー3人に参加してもらうというコンセプトを持っていました。
普通のレコーディングでは、3人のドラマーを呼んで、それぞれレコーディングします。
それなりに大掛かりな準備や、時間がかかります。
そしてドラムのサウンドは、作品のカラーを決める上で最重要ポイントでもあるので、
アルバムとしての統一感においてのハードルが上がってしまいます。

だけどそこはAA=、普通にやってはつまらない。
#6では、ずっと試してみようと考えていた事をやってみたのです。

あっくん、ZAX、YOUTH-K!!!、それぞれに自分の環境でプレイしてもらい、そのプレイをデータ化する方法。
具体的には、それぞれがプレイしたものをMIDI化して、そのデータを新たに自分の機材で構築するという方法です。
MIDIパッドやキーボードでは自分でも良くやるけれど、ちゃんとセット組んだ3人にやってもらうのは、きっと良いはず。

思った通り、この方法はAA=としては、とても良い結果を産みました。

それぞれの特徴が良く現れていて、生ドラムを録った時の様にドラマーの顔が見えてくる。
それでいてAA=のレコーディングらしく、最後の最後まで僕が好き勝手に色々な事を試すことができる。
レコーディング前から試してみようと思っていた事が、こんなに上手くハマるとは!

もちろん3人の僕への信頼感があってできてる事なので、普通ではありえないレコーディング方法。
その大切な部分を預けてくれる3人にとても感謝しています。

#6を聴いた人は感じてくれていると思うけれど、 今まで以上にAA=のバンドの部分が強く音に現れているのは、この方法がハマった事が大きいのです。
マネしても良いよ。

そしてベースです。
機材に関しては、いつもの通り、いつもの顔ぶれでレコーディングしています。
もう何年も変わっていない、慣れ親しんだ戦友たち。
知っている人もいるとは思うけれど、僕のベースの音は何本かの回線をミックスして作り上げています。
PEARCE BC1、METALZONE、チャンドラーのオーバードライブなどなど。
1回線づつの音にこだわるのははもちろん、それをミックスさせる事を前提なので、それらをレイヤーとして完成形を考えながら作っています。

そこはいつも通りなんだけど。

今回は、少しいつもと違うポイントがありました。
もういつぶりなのか覚えていないくらい久しぶりに、10年以上はまともに聴いていなかった過去の自分の音を、ちょっと聴いてみる気持ちになったのです。
めずらしい!
でもそこで大きな収穫がありました。
過去の自分に「もっと攻めて良いんだぜ」と言われ、「オーケー、たけし」という気持ちになって、ベースのレコーディングをしたのです。笑

今でも同じ機材を使い続けているとはいえ、その時その時で微妙に調整をして作っているので、その時々の事を思い出し、
「あー、こうやってこうやったな」と自分しか知らない方法、ブレンドで上田剛士サウンドをもう一度掘り返してみたのです。

おかげでAA=の作品の中では、一番攻撃的な歪みサウンドになったかな。
2019年の最歪ベースサウンドです。

みんなも気に入ったよね?

2019.08.16 #6の話(1) =TAKESHI=

#6ついにリリースされました。
多くの人にポジティブな感想をたくさんもらって嬉しいです。

AA=の”今”と”これから”を示す事が出来たアルバムになったと思います。

いくつかのインタビューでも#6について答えたので知ってる人もいると思うけれど、#6の話です。

#6を本格的に作り始めたのはTHE OIO DAYが終わってから。
THE OIO DAYは自分にとって大きな経験で、10年続けてきたAA=という場所と、そこに集まってくる仲間達の存在を大きく、確かな物として感じました。

AA=をソロプロジェクトという形で始めた事は、自分の音や活動の方法、一緒に音を出す仲間やスタッフとして集まってくれる仲間、
自分の音を聴いて愛してくれるみんなに対し、最後まで自分が責任持ってやりぬく為に必要な事でした。

ソロプロジェクトでありながらバンド形態という形でスタートしたAA=が10年経ち、メンバーもさらに増え、スタッフとしての仲間もどんどん増えていきました。
ソロという名目でありながら、そこに集まるみんな全員でAA=の音を鳴らしていくという形。
それを10年続けて改めて見てみると、やっぱりそこにあるのは「バンド」でした。

そんな素晴らしい仲間達と一緒に10年を迎えて、バンドであることの喜びを感じた上で、新たな作品作りに向かったのが去年の終わり。
数年ぶりにアルバム制作へのスイッチを入れました。

とりあえずOIO DAYに向けて一足先に完成させていた「SAW」と、同時期に作り完成させておいた「POSER」。
そして迫り来るX-FADER#666で発表するつもりのHIROSUKEとのコラボ曲「DEEP INSIDE」のアイデアはある。
それらを軸に、#5以降から3年の間に作りためておいたアイデアの断片を聴きなおす作業からスタート。
改めて聴いて引っかかってくる物は、やっぱりバンド感を感じるものばかりでした。

そんなアイデアの中から気に入ったものをチョイスしたのち、本格的な制作のスタート。
それからは怒涛の半年間、ライブ以外はほとんどスタジオに籠り作り続ける毎日でした。

気に入ったアイデアの曲を完成に近づける。
今あるアイデア以外に、こんな曲が必要だと思う新しい曲も作る。
さらに前にさかのぼって、なんとなく記憶の淵に置いておいた古いアイデアを思い出し、それを過去のフォルダから引っ張り出し聴いてみる。
そこには「SMILE」や「MONEY GRUBBER」の元になったアイデアが隠れていました。

そんな作業を続け、全体像が見えたと思えたのはPICK UP THE PIECESの方向が決まった時。
すでに初夏を感じ始める季節を迎えていました。

アルバムの完成予定のリミットは迫ってきている。

楽曲はほぼ揃った。
メンバーに連絡をして、一緒に鳴らす時がやってきました。

2019.08.05 2019夏 =TAKESHI=

AKABANE ReNY Alpha、男鹿ナマハゲロックフェスティバル、仙台GIGSでのCONNECTED2019、集まってくれたみんなありがとう。
どこもとても良いライブでした。
多くの対バンのメンツと会えて楽屋も楽しかった。

久しぶりに活動的な夏を過ごした気がします。
近年は夏は暑いのでスタジオでの制作作業メインで過ごす事を目指していたので(笑)、今年はがんばったなオレって感じ。

minusとの対バンは前々から話していたので実現できて良かった。
minusは色々あり今の形になってきたけど、全部乗り越えて前に進んでいるフジイくんの姿は刺激になります。

色々あってといえば、男鹿フェスも出演予定のバンド達の間では試練がありました。
ステージに立つ事が出来たバンド、出来なかったバンド、それぞれが必死にがんばっての結果なので、みんなには応援してもらいたいと思います。
そんな初出場の男鹿フェスは、昔から知る後輩バンド山嵐と、とても久しぶりに一緒になる事が出来て嬉しかった。
ヤンチャ小僧な感じだった山嵐が、いつの間にか立派なフェスを長い期間続けていて、ちょっと胸を打たれていました。
またやろうね!

AA=を冠に後輩バンドが集まってくれたイベントがCONNECTED2019 DAY1でした。
音楽的にも人間的にも優れた後輩達が、たくさん集まってくれて最高の日を過ごさせてもらって、なんだか得した気分な1日。
単純に楽しんでしまいました。
バンドのみんな、ありがとう。
自分でもこんなイベントやってみる気になったり、ならなかったり。
まぁ、企画するのは向いてないんだよね。笑

そんな熱い夏の始まりを迎えたAA=だけど、2019夏の最大の出来事は#6の登場です。

もう皆の元に届くので、2019年夏はこのアルバムと共に楽しんでください!
#6の話はまた。