2014.10.19 合体版『#4』  =TAKESHI=

合体版『#4』についてです。

『#4』というアルバムは少し変わったアルバムで、2つの異なるテーマのアルバム『#』『4』で
成り立っていて、しかもこの2つが合わさって1つの『#4』というアルバムに完成するアルバムでした。
それにより、ジャケットも2つ合わせる事によって1つになる様に作られたりして、かなり風変わりな
アルバムになりました。

そして今回、それが最初から合わさった形のアルバム『#4』が出る事になりました。
個人的には最初のスプリットアルバムを「合わせる事で出来上がる」事に意味があったので、
合体版として販売はどうしようかと思ったんですが、1つで『#4』として聴ける物も欲しいとの意見が
出たので、少し曲目を変えて出す事にしました。
基本的には最初から1つで気軽に聴ける『#4』って事で、AA=入門編って感じでもあります。

そこでまず、この「合体版」って名前どうなんだ?って思ったりしました。
スタッフが言い出してきた呼び名ですけど、当初は「ん?」って思いましたね。(笑)
でも『#』『4』と意味付けして分けてみて、それでも1つにまとまっても作品として成立する事を
考えていたので、確かに「合体版」かと思い、だんだんこの呼び方も悪くないなと思いはじめました。

曲数などスプリット版と違うので、もちろん合体版用にミックス等も変えています。
ジャケットも最初から2つが合わさった形のジャケットなので、『#』『4』を持っている人にも
CDショップ等で見てもらえたら。
1つの絵になっても良いデザインだって思ってもらえると思います。
もちろんスプリット持ってる人は買う必要は無いので見るだけでOKです。
(買ってもらってもOKですが。笑)

今回はスプリットという変わったアイデアで作品を作って行ったので、合体版を出した事で
区切りをつけられて、さて次はどうするか!って気持ちの切り替えが出来ました。
長く作品を作り続けていると、作品を出す意味、出し方、などなど色々と自分の中の意味付けが
必要になってきます。
自分自身が楽しむ事がとても重要になってきたりもしています。
そういう意味でも、この『#4』の一連の流れは、実は僕が一番楽しんだのかもしれません。

僕の勝手な思いつきにみんな付き合ってくれて、ありがとうございました!(笑)

21014.10.13 ハイレゾ『#』『4』  =TAKESHI=

ハイレゾ版の『#』『4』の話です。

ハイレゾって何?って人も多いと思うのですが、簡単言うと「音の情報量が多いデータのモノ」です。
音が良いって言われますが、(実際に音が良いとも言えるのですが)、もともと音が良く無い物は、
ちゃんと音が良く無く再生されます。(笑)
当たり前ですね。

良い/悪いは個人の感覚、好みに左右されるので、情報量が多く再生されるって言うのが正解な気がします。
それでもイメージし辛いと思うので、例えるならデジタルカメラの画素数と近いと思うので、
そう理解してもらうと少し分かるかも。
ハイレゾは画素数の高い画像みたいな感じです。

実際にはそれを再生する環境にも左右されるので、本当にその恩恵を受けようとしたら、
それなりの再生機器が必要になるので少し面倒かもしれません。
それでもやはり良い音で聴いてもらえるのは作り手としては嬉しいです。

ただ音楽の楽しみ方はそれぞれです。
僕も学生時代はレコードをカセットテープに録音(しかもオーバーロードで歪んでいてもお構いなし)して、
安い再生機器に安いペラペラの音のヘッドホンとかで聴いていて、それでも十分に楽しかったのです。

それぞれが、それぞれの形で音楽を楽しんだら良いと思います。

そんなハイレゾですが、僕はこのハイレゾだからこそ出来る事を今回試しました。
実はハイレゾ(ハイサンプリングレート/ハイビット数)の恩恵よりも、その試みの方がより効果的だった
と思っています。
通常、音源を制作する場合、最終的にマキシマイズという作業で他のCD等の製品と同じ様な環境で
聴ける様に音量を調整する作業をします。
でもこの作業は決して音質に関してはプラスになるとは言いきれない作業でもあります。(もちろん
コレによって良くなる場合も少なくない)
つまり「良い落としどころを見つける作業」のニュアンスも含みます。

そこで、ハイレゾ版はこの音量調整の為のマキシマイズをやめました。

これはハイレゾ版という事で「良い音」を追求する(求める)人に向けて作品を作れる機会だったからです。
よって、音はマキシマイズされた物よりも6〜7dB程小さいです。
よって同じボリュームで他の音源と続けて聴くと、音量が小さい分迫力不足に感じるかもしれません。
そこで自分の再生機のボリュームを上げてください。
そうやって聴くと、各楽器の音はクリアーに、音像は立体的に聴こえると思います。
そして、これは僕らが作品を”作っている時”に聴いている音にとても近いです。

この形は僕と、Kei Kusama氏をはじめAA=チームで考え抜いて作った、もう一つの『#』『4』。
ハイレゾ用の特別ミックスになっています。
AA=メンバーの中にも「ハイレゾ版から離れられなくて、こっちばっかり聴いてる!」って人もいます。(笑)

でも先ほども書いた様に、「良い音」はあくまでも好みの問題でもあるので、自分が好きな音を選んで
楽しんでもらえたらと思います!
選択肢の1つにハイレゾ版もどうぞ。

2014.10.07 DRONE MV  =TAKESHI=

DRONE MVの話です。

この曲は、ずっと映像を作りたいと思っていましたがタイミングがありませんでした。
でもLIVEの時に流した映像がとても良かったので、それを元に作る事にしました。

ツアーファイナルのリキッドルームだけでこの映像を流したので、ライブに来た人は改めてこの映像が
観れるし、DVDのみでこの映像を観た人にもどんな映像だったのか知ってもらえる。
なので、このMVをDVDに入れる事が出来るタイミングは過ぎていたのですが、やっぱり作ろうと思いました。

僕がAA=を始めてから、自分の中でずっと根底のテーマになってるのは”正義”みたいなモノです。
こう言うと大げさな感じですが、本当に何かそういうものなのです。

人の持つエゴは、僕にたくさんの疑問と迷いと、時に敗北感を与えました。
人間が起こす問題の原因は、人のエゴにあると言えると思っています。
でも、それは人間が動物である以上避けられない、生き物としては当たり前に持つものでもあります。
自分以外の個体は、自分が生き残るために利用するか排除するか、悪影響が無ければ無視をする。
それは動物としては当たり前の事。

人は多くの知識を持つがゆえに、不安も増え、エゴの範囲は広がっていきます。
自分が生き残るために考えられる不安は徹底的に排除する必要があります。
そして広がり続けるエゴは暴力に繋がっていきます。
最たるものは戦争ですが、環境破壊、経済や格差にも表れ、権力、政治、身近な所では社会の形、
仕事場や学校、家庭の中にまでも、それぞれのエゴ(時に暴力的なまでの)が存在します。

僕は自分に起きたある体験によって、その事に気付きました。

あまりに利己的であること、無責任であること、抑えることが出来ない欲求(不安)に
支配されてしまうことは、人を、世界を、幸せとは別の方向に連れて行ってしまう。
そしてそれは、戦争や環境の破壊を起こす様な大きな悪も、身近に起きる程度の悪も、根本的には同じである
と思ったのです。

自分の身近な、時には自分の中にも存在するエゴが、大きな問題の引き金になっている。
大きな悪も、遠くの国の問題も、決して他人事では無いのだと気付かさせられました。

なんだか説教くさいですが僕はそんな風に思って、この ”All animals are equal (全ての動物は平等である) ”
と言う名前のバンド、AA=を始めたんです。

人の持つエゴとどう向き合うか?が僕の中の “正義” なのです。

この曲のタイトルはDRONE。
もちろんAmazonの荷物を運ぶ機械の曲ではありません。
殺戮をする為に生まれた機械の曲です。
そして、祖父達の世代が戦争をする為の道具になった事もイメージに含みました。

レコード会社は楽曲をYOUTUBEにフル尺でアップする事を好まないのですが、この曲は絶対にフルで公開したいと
交渉しました。
そして僕の気持ちを理解してくれて、フル尺で公開させてくれたレーベルスタッフに感謝します。

2014.10.02  LIVE DVD『TOUR #4+MV』  =TAKESHI=

発売になった LIVE DVD『TOUR #4+MV』について話します。

このライブは『#』『4』という変わった形のアルバムが元になっているので、これをどう表現するか?
いろいろ考えました。
2部構成で完全再現!みたいなアイデアもあったのですが、それではただアルバムを追うだけになるので、
最終的にはこのツアーで#4が完成していき、ファイナルで出来上がった姿をそのまま表現しようと思い、
『#4』としてのライブにしました。
結果的にはこの形で大正解だったなと思います。

前回も書きましたが、ZAXでのAA=が形になった初めての作品でもあります。
ZAXのドラムはパワフル、でもとても繊細な部分もあって、そこはZAXの人となりが表れています。
楽器は演奏者の個性が良く出るんですよね。
楽器はウソをつかない。
ちなみに僕の演奏は、、、いつも通り雑で荒いですね。
意外と僕は雑な男なのでしょうね。

そして、タカとミノル。
彼らは、素晴らしかったです。
ライブ中はもちろん彼らをじっくり見る事は無いので、この映像で改めて見て、聴いて、
感じることが出来て楽しかったです。
このバンド良いバンドだなー!と思いました。笑

AA=は僕のソロプロジェクトとして始まり、今も基本その形ではあるのですが、その僕の音、
AA=の音を表現するのに、彼らは無くてはならない存在です。
あっくん含めのAA=5人、僕のワガママな音に付き合ってくれて感謝です。

映像の監督は鶯堂の出口さん。
僕がマッド、出口さんがMTVにいた時から多くの映像を撮ってもらってる、僕を良く知る監督です。
収録されてるMVもWILL以外は出口監督なので、出口さんの作品集とも言えますね。

このDVDは、HUMANITY2のMVに出てくる20才の頃の自分から続いて来て今の自分がある事、
を再確認出来た作品。
これを観ると、ずいぶん長く歩いてる気もしますが、それでもまだ少ししか進んでいないな、
とも思ったりもします。

と色々書いてますが、単純に楽しめるライブDVDです!
そこは「TAKESHI印」の保証付きですよ。笑

そして、初回盤に付いていた特典のフラッグ。
コレはAA=のライブではおなじみですね。
この言葉はAA=のバンド名の由来になった小説「動物農場」に出てくる「七戒」をフラッグにしたモノです。
このデザインは僕が考えて、BALZACのヒロスケに作ってもらいました。
今回特典になったミニ版もヒロスケに協力してもらい出来あがったので、ヒロスケには深く感謝です。

そしてジャケットのデザインはもちろんこの人。
AA=、上田剛士には無くてはならない人、POSITRONの土井さんに作ってもらいました。

完璧な布陣で出来上がったDVDです。

そんな LIVE DVD『TOUR #4+MV』。
AA=の音を聴いて、体感して、よく知ってくれてる皆にこそ、楽しんでもらえたらと思っています。

楽しんでください!